| 「レミ子の部屋でございます。前回に引き続き、広報ぱんだのあいはらさんにインタビューをして頂いております。」
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| 「こんぱんだ!
今日はレミ子さんによく似た……えっと、美人教師の美空鈴魅(みそられいみ)さんがゲストにいらっしゃってます。」 |
| 「あら、あいはらさんったら美人だなんてお上手ですね♪ 」
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| 「(台本に落書きして蛍光マーカーで線引いたの誰だ。)
それでは、どうぞ~。」
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| 「ご紹介いただきました美空鈴魅(みそられいみ)と申します。
翔愛学園で教師をしております。」 |
| 「教職なんて素晴らしいですね♪ まさに才色兼備。」 |
| 「レミ子さんも、普段はカレッジで特別講師をなさっているとか? お噂はかねがね聞き及んでおりますわ。」 |
| 「(なんだこの会話。)
手元の資料では、美空先生は美人で有能で素晴らしい女性と……台本に変な紙貼り付けられてる! 」 |
| 「うふふ。そんな見ればわかることを言わなくてもいいのよ? 」 |
| 「(犯人特定した。)
えーっと、ドジっ子メガネとあだ名がついてるそうで? 」 |
| 「そんなドジだなんて……。」 |
| 「そうよ! そんな紹介は許せないわ! 」 |
| 「ドジというか、お茶と間違えてめんつゆ持って来ちゃったり、なんにもないところで転んでみせたりね。
ほら、あんまりお高く止まってると親しみがないじゃないです? 」
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| 「ほうほう。生徒さんと楽しく過ごすには、イメージ戦略と。頭いいですね。
特に仲良くしたい生徒さんとかいるんですか? 」
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| 「うちのクラスの冴木くんって言うんですけど、クールな顔してるのに母性本能くすぐるんですよね。うふふ。」 |
| 「冴木くんですかー。彼、人気ですね。レミ子さんも冴木くんの大ファンなんですよ。
あれ。レミ子さん顔が真っ青ですよ。」 |
| 「ライバル出現!? 」 |
| 「どうしたんですー? 早くこいつなんとかしないとって顔してますよー? 」
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| 「な、なんでもないわっ!? 」 |
| 「声が裏返ってます。落ち着いて、自分の年齢を数えましょう。」 |
| 「いち、にぃ、さん、しぃ……。」 |
| 「(あれ、怒らないや。)
美空先生は、何がきっかけで翔愛学園に赴任されたんですか? 」
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| 「どきっ。」 |
| 「おや? 何か事情がおありの様子。
そこを聞きたいので、お話くださいな! 」 |
| 「実は鍵が……。いえ、私の地元が近くでして、多少思いいれのある学校なので、自分で希望してこちらに赴任させていただきました。」 |
| 「ものすごーく普通でしたね!
レミ子さんも質問ありますか? 」 |
| 「冴木くんとられる……ぶつぶつ。」 |
| 「もともとレミ子さんの物じゃないですよー? 」 |
| 「同じ顔してるのに、私より彼に近いなんて許せないわーっ。」 |
| 「冴木くん、素敵ですよね。授業中、あの真摯な眼差しに見つめられるとドキドキするんです。
わからないところを聞きに来るときの顔がとってもキュート! 」 |
| 「私もそんな彼を見たいわ! 」 |
| 「あっ。じゃあ、今度彼の写真を撮ってきますね。一枚500円でどうです? 」 |
| 「お金とるんですか!? 」 |
| 「冗談です♪ でも、素敵な方は誰が見たって素敵ですもの。ぜひご一緒に鑑賞しましょう♪ 」 |
| 「美空先生、あなたが神さまに見えるわ。」 |
| 「残念。私は神さまではないのですよー。」 |
| 「良かったですね。レミ子さん! 」 |
| 「やっぱり自分に似ている人に悪い人はいないのよ! 」 |
| 「いやー。意外と悪い人かもしれませんよー? 」 |
| 「でも、次の授業はいつかしら。うふふ♪ 」 |
| 「あれ? 用事でもあるんですか? 」 |
| 「ちょっと私とあの子の生まれ故郷にね。」 |
| 「へー。ご旅行ですか。いいなー。
じゃあ、写真の件はしばらくお預けですねー。」 |
| 「そ、そんなのってあんまりよー! 」 |